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理事長所信

社団法人中条青年会議所
2010年度 理事長
須貝大治

理事長 須貝大治〈はじめに〉
 私が子どもの頃の胎内市は、田んぼの他は何もなく山や川があるだけでした。それでも僕らには十分で、「大自然」が悠々と存在し、その中を駆け回る毎日でした。どこの子だろうが、何歳だろうが、隣同士で手をつなぎ合って助け合い、年上が年下を守り、大人たちは本気で叱っていました。

 そんな時代の1980年、社団法人 中条青年会議所が創立されました。当時の先輩方は懸命に、自然や夢ある郷土をつくり、明るい青少年の育成に奔走されていました。

 この地域で暮らし、学び、育ってきた我々が、創立から31年目の青年会議所をスタートさせるにあたり、中条青年会議所を繋がれてきた先輩方に改めて敬意と感謝の念を憶えると共に、創立に尽力された先輩方が抱いていた希望が、今、まさしく我々自身の中に息づいている事を実感します。受け継がれた誇りを胸に、その情熱を多くの市民に伝え、理解してもらうことで、地域を明るく豊かにしようと響きあい、次に繋げていくことが我々に課せられた使命ではないでしょうか。

 それを実現するためにも、青年会議所が「地域に心から必要」とされなければなりません。必要とされるからこそ発言に意味があり、行動や声がこころに届くはずです。ともすれば忘れがちなこのことは、さまざまな活動を推し進めるにあたり、常に念頭に置くべきことです。

 必要なのは、目的と気配りを持って取り組み、地域の声や皆の意見に耳を傾けることです。何が求められているのかを意識した企画と参加者に魅力的な事業展開が望まれます。主旨を伝えるためには、解りやすくする工夫や時にはドラマチックな演出も大切です。自己満足や勝手な押しつけで終わってしまっては、その事業の存在意義がありません。参加者や携わる人たちに共感を得られる事業を追求してこそ、やり甲斐があり、感動が生まれるのです。そして、その上で所思や情熱を注いでこそ、本当の「まちづくり」だといえます。

 青年会議所が私を惹きつけるのは、真剣勝負だからです。何ヶ月も前から企画し、何度も話し合い、また必死で準備を重ねて、やっと事業の日を迎える。そんな思いの事業が真剣勝負で無いはずがありません。青年会議所はシミュレーションの会だと云われます。その事に否定はしませんが、それは、この会が直接的な経済活動と政治活動を行わないからであって、失敗を前提にした無気力な事業を行って良いという理由にはなりません。常にひとや時間、お金が関わっていることも心に留めて、精一杯の修練を重ねるのは、会員の義務とも云えます。失敗が許される場合は、若さだけが理由のはずです。

 勿論、恐れずに前に突き進む勇気も必要です。はっきりとは見えてこない、流れるような社会の構図を、近道せずに見極めようと努力し、その努力を連ねていくことで青年会議所の仲間は、同じ課題に取り組んでいる同志として、より強い友情の絆が深まっていくのだと考えます。

 ひとそれぞれに幸せのかたちが違うように、思い描く「明るく豊かな社会」も多種多様です。それぞれが抱くイメージを共鳴させるためには、とことん想いをぶつけて熱く語り合うことが重要です。そうすることで、我々はさらに強固な意思を持つ団体として、未来を前向きに思い描くことが可能となり、進むべき道が示されるのです。そうした上で地域と深く関わっていくことは、強くたくましい地域社会を築くことにも繋がります。

 当然ながら、我々自身も明るく豊かに生活しなければなりません。私にとってそれは、まず「健康」であることです。自分は勿論、家族や会社の同僚、仲間など、取り巻く周りのみんなの健康です。体もこころも健康であればこそ、頑張れるものです。皆さんにとっては、どんなことでしょうか? これから一年間、じっくり語り合えることを期待しています。

 また、我々が家族や会社のサポートを抜きにして、青年会議所活動を行うことは困難です。支えてくれる彼らを常に念頭におき、理解と協力を求める努力が必要です。幸い、当青年会議所には、家族とのつながりを大切にする良い雰囲気がありますが、今年度もこれを深めていきます。家族や会社は、一番身近な地域であり、則ち会議所活動の第一歩とも言えます。

 地域の諸団体との交流も、これまで同様に推進して参ります。地域に貢献する活動には積極的に参加していき、公益な団体や人材との出会いを大切にして、互いに響きあうことで、より地域に即した団体として活躍する場面を増やしていけることを目指します。


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