社団法人中条青年会議所
2012年度理事長 水澤貴洋
【はじめに】
昨年、3月11日に東南東沖にて日本史上最大の地震、東日本大震災が発生しました。この震災により、2万人以上の死者や行方不明者という最悪な事態が日本中を震撼させました。被災地や避難先で困難な状況の中、復興に向けて日々努力されている人たちがいます。また、全国から多くのボランティアが復興支援に駆けつけました。休日や大事な時間を割いてでも支援に来られた方は沢山いると思います。私は、人がひとを支え、地域の復興に頑張っている姿を見て、ゆとりや思いやりの大切さを痛感いたしました。我々、中条青年会議所も、『ひとのため』・『地域のため』に、様々な事業を展開してまいりました。『ひとのため』に何かするということは、気持ちにゆとりが無ければできません。ゆとりを持っている人、それは、自分で使える自由な時間があるからではなく、誰かのために時間をつくる努力ができる人ではないでしょうか。中条青年会議所では、幾度も青少年育成事業に取組んでまいりました。未来を担う子供たちのために、ゆとりある気持ちとおもいやりの心を抱かせ、1人でも多くの子供の支えになってあげられるよう努めていかなければなりません。また、『地域のため』になにかするということは、地域力を結集するために目標を共有することが必要とされます。私たちの住む地域には、沢山の魅力があります。青年としての発想や行動力をもって市民や行政との共感を得ながら調和し、地域の特性を活かしたまちづくり運動を展開していかなければなりません。
また、日本の青年会議所は、近年、入会者数の減少や多くの会員が卒業していく状況下において、急激な会員減少が進行しています。そのもっとも大きな要因は不景気に起因する「仕事」だと考えられます。低迷した日本経済には、未だ回復の兆しはみえず、まさに存亡の危機にあるといってもよいでしょう。このような状況で、今JCメンバーがやらなければならないことは、まず一人ひとりが心を通わせ、気持ちを分かち合い、メンバー一人ひとりが資質の向上をしっかりと図らなければなりません。私たちの住む『ひと』や『まち』のために『明るい豊かな社会を築きあげる』ことが我々に与えられた使命です。今日まで、長い歴史を持ち、地域に貢献してきた「社団法人中条青年会議所」。振り返れば、私自身も入会して、早12年。これまで沢山の人たちとの出会いがありました。家族や先輩達に助けられ、メンバーに助けられてきた沢山の思い出があります。『人生とは思い出の集積である』と言われますが、私自身、数多の思い出を胸に抱きつつ、一つひとつ年月を重ねてきました。言い古された言葉で『人は皆つながりあって生きている』という言葉があります。自己の利益や都合のみにかかずらうこともなく、家庭はもちろん、私たちの住む『ひと』や『まち』にしっかりと目を向け地域づくりに取組んでまいります。
【人間力】
ひとは、あらゆる災難に打ち克つ意志と知恵をもつ偉大な存在です。どんな困難な壁があろうと不屈の精神があれば必ず乗り越えていけます。ひとは、誰もが初めて何かに取り組むとき、必ず緊張感をもち、基本に忠実に間違えのないよう十二分に気を配りたくなるものです。時には、失敗することもあろうかと思います。しかし、その失敗は心の襞(ひだ)を増やし、精一杯、取組んだということが、後の人生において自分自身の大きな支えとなり力となってくれると考えます。未来を担う子供たちには、おもいやり溢れる気持ちと強い向上心を抱き、大人に成長していくことを願います。
【地域力】
私たちの住むこのまちには、沢山の魅力があります。それらの発見や新たに構築できる事業展開を行っていく必要があると考えます。市民や行政の共感を得ながら、地域の特性を活かしたまちづくり運動を展開していかなければなりません。さらに一歩先の時代を見据えた地域づくりを展開していくことが、これからの課題です。自らが先頭に立ち、環境美化や地域の魅力発見に自分たちの住む地域の活性化に青年としての若いエネルギーは不可欠です。これからの明るい地域づくりに新たな発想や行動力が必要と考えます。
【会員拡大】
近年、日本の青年会議所は、入会者数の減少や多くの会員が卒業していく状況下において、急激な会員減少が進行しています。当会議所も例外なく、このまま会員の減少が進めば、存続も危ぶまれます。これまで以上に事業の拡大をしていくためには、多くの会員拡大に取り組み、増員していくことは急務なことと考えます。
【公益法人制度】
来年の法人格移行を前に、中条青年会議所はその準備に取り掛かっていかなければなりません。地域の明日を創造する責任ある青年の団体として新たな法人格取得に向けて取組んでまいります。
【おわりに】
自らの意志と行動で、『ひと』や『まち』のために活動している中条青年会議所。青年であるからこそ、今しか出来ないことが多くあり、気持ちを前向きにし、情熱を持ち、果敢に挑戦する姿勢で、活動していくことが必要なのです。一人ひとりの力が結集したとき、それは、大きな成果が生まれるでしょう。かけがえのない経験こそが、自分自身の糧となり、豊かな人間を形成し、地域から頼られる人へと成長するはずです。2012年度 社団法人中条青年会議所の理事長として、メンバー全員を乗せた船の舵取りをするのが責務であると考えております。これから先、船が進む方向は一方向とは限りません。また、複数の方向に舵を取れば船は進みません。進路を決定づけなければ、いつまでも目標に辿り着きません。皆で目標に向って『ひと』と『まち』に喜びと感動を与えられるよう、満帆して進んでまいりましょう。