悲しい話になりますが、ゴールデンウィークの真っ只中、学生時代の友人が交通事故にあい、程なくして他界するということがありました。連休中の中頃にこの話を聞き、すぐさま彼の家へ向かい彼に会ってきました。棺に横になっていたその顔には、はねられて飛ばされたときについたであろういくつもの傷があるものの、ただ寝ているだけにすら見えるものでした。静かに煙を上げる線香だけに時間が与えられているのではないかと錯覚するくらいの悲しく重い空気の中で、彼のお母さんが唇を震えさせつつ気丈にも家族思いの彼の思い出話をする姿に、重ねて悲しみを覚えて戻ってきました。
最近の私は、いろいろなことを経験する時間が多くあり、ひどく余裕がない期間を過ごしていたと錯覚していました。でも、私は“生きている”ことをまださせて貰っているのだから、これ以上の幸せはないと感じました。それどころか、至る所に友人がいて、また心を配ってくれる人が大勢いる、そんな贅沢までさせてもらっているのだとあらためて感じることができました。この“気持ち”を多くの皆さんに、感謝し、伝え、返すことがより大切なことなのだと解った32歳の5月初旬でありました。
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